12月が始まりいよいよ本格的な冬がやってきました。今回は、この季節にぜひ知っておきたい身体や肌のトラブル、その原因、自宅でできる対処法、病院受診の目安などについてご紹介します。
季節の変わり目である秋から冬にかけて、気温の低下や湿度の減少が身体や肌に色んな影響を及ぼします。
まずは、身体への影響を説明します。
- 気温の低下に伴う冷えや寒さで、血管が収縮し、体の隅々に血液が行き渡りにくくなります。手足が冷えやすくなり、「しもやけ」や「冷え性」、「網状皮斑(もうじょうひはん)」といった血行障害の原因となります。
- 気温が下がると基礎代謝がやや上がりますが、体が冷えると筋肉や内臓の働きが鈍くなり、全身の代謝が低下しやすくなります。
- 体温が低下すると免疫細胞の働きが弱まり、風邪や感染症にかかりやすくなります。
- 冷えによって筋肉が硬直し、関節痛や肩こりが悪化することがあります。
- そのほかにも、身体が冷えると、胃腸の不調、不眠、自律神経やホルモンバランスの乱れなどが起こるやすくなると言われています。
次は、肌への影響を説明します。
- 冷気と乾燥した空気が皮膚の水分を奪い、乾燥肌の原因となります。特に頬や手、肘、膝など皮脂腺が少ない部位で顕著に現れます。暖房の使用が増えることで、さらに肌が乾燥しやすくなります。乾燥肌の症状としてかゆみ、ひび割れ、カサつきなどが挙げられます。
- 寒さで皮脂腺の活動が弱まるため、肌のバリア機能が低下し、外部刺激から肌を守りにくくなります。敏感肌が悪化し、湿疹、かゆみ、皮膚の赤みや剥がれ、ヒリヒリ感などが現れます。
- 血行不良や代謝の低下によって、肌の新陳代謝(ターンオーバー)が遅れます。その結果、くすみやシミ、乾燥による小じわが目立つことがあります。
- 乾燥した肌はかゆみを感じやすく、特に夜間にかゆみが強まることもあります。アトピー性皮膚炎をお持ちの場合は症状がさらに悪化しやすくなります。
これからは、冷えや寒さによる影響を軽減するための対策を紹介します。
- 体を温める:湯たんぽやカイロを使用して、特に手足の末端を温めましょう。シルクやウール素材の保温性の高い衣類を活用するのも効果的です。
- 適度な運動:軽いストレッチやウォーキングで血流を促進し、冷えを改善します。
- 温かい食べ物・飲み物を摂取:ショウガや根菜類を含む食事は、体を内側から温めます。温かい飲み物を定期的に摂り、体温低下を防ぎましょう。
- 保湿ケアを強化:お風呂上がりや外出前に保湿クリームやオイルを使用し、肌の水分を閉じ込めましょう。セラミドやヒアルロン酸配合のクリームなどのスキンケア製品がおすすめです。
- 紫外線対策:冬でも紫外線は存在するため、日焼け止めを使用し、肌へのダメージを軽減します。
- 加湿器の使用:室内の湿度を40~60%に保ち、肌の乾燥を防ぎます。
- 入浴の工夫:ぬるめのお湯(38~40℃)に浸かり、血行を促進しましょう。入浴後はすぐに保湿を行います。
- バランスの良い食生活:ビタミンA(皮膚の修復)、ビタミンC(抗酸化作用)、オメガ3脂肪酸(炎症抑制)を多く含む食品を摂取しましょう。
- 衣類の選び方に注意:肌に優しい素材(コットンやシルク)を選び、チクチク感が少ない服を着用しましょう。
自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること(セルフメディケーション)を心がけることも大切です。
以下の症状が見られる場合は、皮膚科や美容皮膚科を受診することをおすすめします。
- 自宅での保湿やケアを行っても症状が改善しない場合。
- かゆみや湿疹が広範囲に広がっている場合。
- 皮膚がひび割れて痛みを伴う場合。
- しもやけが悪化して赤紫色や膿が出る場合。
- アトピー性皮膚炎などの持病がある場合。
当院の取り組み
当院では、季節の変化に伴う肌トラブルに対し、以下の診療・施術を行っています。
- 身体を温めて、元気を補うはたらきがある漢方薬の処方
- 保湿指導とスキンケア製品の処方
- 乾燥肌・敏感肌の治療(外用薬や内服薬の処方)
- 光治療やRF治療(必要に応じて)
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