アトピーと体臭の関係は?気になる臭いの原因と適切なケア方法

アトピー

アトピー性皮膚炎の症状に悩む中で、体臭が気になるという経験をされる方もいらっしゃいます。

「人と近くにいる時に臭いが気になる」「自分の体から独特の臭いがするのではないか」と不安を感じることがあるかもしれません。

この悩みは非常にデリケートな問題であり、なかなか周囲に相談しづらいと感じる方も少なくないでしょう。

実際にアトピーの方が臭いが生じている場合もあれば、過度に気にしすぎている場合もあり、その原因や対処法は個々の状況により異なります。

体臭への不安は、社会生活や人間関係にも影響を与える可能性があるため、正しい理解と適切な対応が重要とされています。

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アトピー性皮膚炎と体臭の関係は?

アトピー性皮膚炎そのものが体臭の直接的な原因となることはありませんが、症状に伴う皮膚の状態や続発する感染症などにより、臭いが生じる場合があるとされています。

まず重要なのは、アトピー性皮膚炎という疾患自体は体臭を引き起こすものではないということです。アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能の低下と免疫の過剰反応により生じる炎症性皮膚疾患であり、疾患そのものに特有の臭いがあるわけではありません。

健康な皮膚を持つ人と同様に、アトピー性皮膚炎の患者さんの体からも特別な臭いが発生するわけではなく、「アトピーの人は臭い」というような認識は医学的根拠のない偏見です。

体臭が気になる場合の実際の原因

しかし、アトピー性皮膚炎に伴う様々な状態により、臭いが生じることはあります。主な原因として、細菌感染(特に黄色ブドウ球菌の増殖)、滲出液や浸出液の付着、汗と皮膚の状態の相互作用、外用薬や保湿剤の臭い、衣類への分泌物の付着などが考えられます。

これらの原因による臭いは、適切なケアや治療により改善できる可能性があります。また、臭いを気にするあまり、実際には臭いがないのに臭いがあると感じてしまう心理的な状態(自己臭恐怖症)の可能性もあります。

アトピー性皮膚炎に伴う状態と臭いの関連

アトピー性皮膚炎では、皮膚のバリア機能が低下しているため、健康な皮膚と比べて細菌が繁殖しやすい環境にあります。特に黄色ブドウ球菌は、アトピー性皮膚炎の患者さんの皮膚に高頻度で検出され、症状を悪化させる要因ともなります。

この黄色ブドウ球菌が過剰に増殖すると、細菌由来の臭いが発生することがあります。また、炎症が強い部位から滲出液(じくじくした液体)が出ている場合、これが衣類や寝具に付着して臭いの原因となることもあります。

誤解や偏見への注意

「アトピーだから臭い」という偏見は、患者さんを深く傷つけ、社会生活に大きな影響を与える可能性があります。実際には、適切なスキンケアと治療を行っていれば、アトピー性皮膚炎があっても体臭が問題になることはほとんどありません。

周囲の人々が、根拠のない偏見を持たず、正しい理解を持つことが重要です。また、患者さん自身も、過度に臭いを気にしすぎることなく、必要な場合には適切な対処を行うという冷静な対応が大切とされています。

このように、アトピー性皮膚炎自体は体臭の原因ではありませんが、症状に伴う状態により臭いが生じる可能性があり、その場合は適切な対処により改善が期待できるとされています。

続いて、アトピー性皮膚炎で臭いが気になる場合の具体的な原因について見ていきましょう。

アトピー性皮膚炎で臭いが気になる場合の主な原因

アトピー性皮膚炎を持つ方で実際に臭いが生じている場合、その原因としては細菌感染、滲出液、汗、外用薬や保湿剤の臭い、衣類への付着などが考えられます。

細菌感染による臭い

最も一般的な臭いの原因は、黄色ブドウ球菌の過剰な増殖です。アトピー性皮膚炎の患者さんの皮膚では、健康な人と比べて黄色ブドウ球菌の定着率が非常に高く、90%以上の患者さんの皮膚から検出されるという報告もあります。

黄色ブドウ球菌が増殖すると、細菌の代謝産物により独特の臭いが発生することがあります。特に、掻き壊しにより皮膚に傷がある部位や、滲出液が出ている湿潤した部位では、細菌が繁殖しやすく、臭いが強くなる傾向があります。

二次感染として、とびひ(伝染性膿痂疹)を発症している場合には、膿や痂皮(かさぶた)から臭いが生じることがあります。この場合、黄色い膿が出る、痂皮ができる、急速に病変が広がるなどの症状を伴います。

滲出液や浸出液の臭い

炎症が強い部位から滲出液が出ている場合、この液体自体にはほとんど臭いはありませんが、時間が経つと細菌が繁殖し、臭いの原因となることがあります。滲出液が衣類や寝具に付着し、そこで細菌が増殖することで臭いが強くなる場合もあります。

特に、夏場や湿度の高い時期には、湿潤した環境が細菌の繁殖を促進するため、臭いが発生しやすくなります。また、ガーゼや包帯を長時間交換せずにいると、そこに滲出液が溜まり、臭いの原因となることもあります。

汗と皮膚の状態

アトピー性皮膚炎があると、皮膚のバリア機能が低下しているため、汗の成分が皮膚に残りやすく、それが細菌の栄養源となって臭いを発生させることがあります。また、汗そのものが皮膚の刺激となり、かゆみを増強させるため、掻き壊しが進み、それがさらに細菌感染を招くという悪循環が生じる可能性もあります。

特に、脇の下、首の周り、膝の裏、肘の内側など、汗がたまりやすく、皮膚同士が接触する部位では、臭いが発生しやすい傾向があります。

薬剤や保湿剤の臭い

使用している外用薬や保湿剤の種類によっては、独特の臭いがあるものもあります。特に、亜鉛華軟膏や一部の漢方系の外用薬、魚油系のオメガ3脂肪酸を含む保湿剤などは、臭いが気になることがあります。

これらの臭いは、製品の成分由来のものであり、皮膚の状態が悪いことを示すものではありません。臭いが気になる場合は、医師に相談して別の製品に変更することも可能です。

衣類への付着

滲出液や薬剤、汗などが衣類に付着し、それが洗濯で完全に除去されないと、衣類から臭いが発生することがあります。特に、化学繊維の衣類は、綿などの天然繊維と比べて臭いが残りやすい傾向があります。

また、寝具についても同様で、長時間肌に触れているシーツや枕カバーに分泌物が付着し、臭いの原因となることがあります。

以上のように、アトピー性皮膚炎で臭いが生じる場合、その原因は主に細菌感染や滲出液、汗などであり、これらは適切なケアにより改善できる可能性があるとされています。

次に、細菌感染による臭いの特徴と見分け方について説明いたします。

細菌感染による臭いの特徴と見分け方

細菌感染が原因で臭いが発生している場合、特徴的な症状があり、早期に発見して適切な治療を行うことが重要とされています。

黄色ブドウ球菌感染の症状

黄色ブドウ球菌が過剰に増殖している場合、皮膚の赤みや腫れが急激に悪化する、掻き壊した部位がじくじくして黄色い液体や膿が出る、皮膚の表面に黄色いかさぶた(痂皮)ができる、患部から独特の臭いがするなどの症状が見られます。

臭いの特徴としては、生臭い臭い、酸っぱい臭い、あるいは腐敗臭のような臭いと表現されることがあります。この臭いは、細菌の代謝産物や、細菌が分解した皮膚の成分から発生します。

感染が進行すると、患部の周囲のリンパ節が腫れる、発熱する、全身状態が悪化するなどの症状が現れることもあります。

とびひ(伝染性膿痂疹)

とびひは、黄色ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌による皮膚の感染症で、水ぶくれができて破れ、その内容液が他の部位につくことで急速に広がります。アトピー性皮膚炎の患者さんは、皮膚のバリア機能が低下しているため、とびひになりやすいとされています。

とびひの症状としては、水ぶくれ(水疱)ができる、水疱が破れてびらん(ただれ)になる、黄色い痂皮ができる、かゆみがある、患部から膿や浸出液が出るなどがあり、これらから臭いが発生することがあります。

とびひは伝染性が高く、掻き壊すことで自分の他の部位に広がるだけでなく、他の人にもうつる可能性があるため、早急な治療が必要です。

感染の兆候とサイン

以下のような症状がある場合、細菌感染を起こしている可能性が高いとされています。

アトピー性皮膚炎の症状が急激に悪化した、いつもと違う臭いがする、黄色や緑色の分泌物が出る、皮膚が熱を持っている、痛みを伴う、発熱がある、リンパ節が腫れているなどの症状です。

これらの症状がある場合は、早めに医療機関を受診することが推奨されます。細菌感染に対しては、抗生物質の内服や外用が必要となることが多く、適切な治療により速やかに改善することが期待できます。

早期発見の重要性

細菌感染を放置すると、感染が広範囲に広がる、皮膚の深い層まで感染が進行する(蜂窩織炎など)、全身性の感染症に進行する可能性があります。また、感染により皮膚のバリア機能がさらに低下し、アトピー性皮膚炎の症状も悪化するという悪循環に陥ることがあります。

早期に発見し、適切な治療を行うことで、これらの合併症を予防し、症状の速やかな改善が期待できます。日頃から皮膚の状態を観察し、普段と異なる変化があれば早めに対応することが大切です。

このように、細菌感染による臭いには特徴的な症状があり、早期発見と適切な治療が重要とされています。

続いて、アトピー性皮膚炎の臭い対策とスキンケア方法について見ていきましょう。

アトピー性皮膚炎の臭い対策とスキンケア方法

アトピー性皮膚炎に伴う臭いを予防・改善するためには、適切なスキンケア、清潔の保持、環境整備が基本となります。

適切な洗浄方法

臭いの原因となる細菌や汗、分泌物を除去するために、適切な洗浄は重要ですが、過度な洗浄は皮膚のバリア機能をさらに低下させるため、バランスが大切です。

入浴は毎日行うことが推奨されますが、ぬるめの湯(38〜40度程度)で、長時間の入浴は避けることが望ましいとされています。石鹸やボディソープは、低刺激性で保湿成分を含むものを選び、よく泡立てて手のひらで優しく洗います。

ナイロンタオルやスポンジなどでこすることは、皮膚を傷つけるため避けるべきです。特に炎症が強い部位や滲出液が出ている部位は、流水で優しく洗い流す程度にします。

入浴後は、タオルで水分を押さえるように拭き取り、5分以内に保湿剤を塗布することが推奨されます。

保湿の重要性

保湿剤による適切なスキンケアは、皮膚のバリア機能を改善し、細菌の侵入や増殖を抑制する効果があります。保湿剤は1日2回以上、特に入浴後には必ず塗布することが推奨されます。

保湿剤の選択については、季節や皮膚の状態に応じて調整します。臭いが気になる場合は、無香料の製品を選ぶことが望ましいです。製品の臭いが気になる場合は、医師に相談して他の製品に変更することも可能です。

炎症が強い場合には、保湿剤だけでなく、ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏などの抗炎症薬を適切に使用し、炎症をコントロールすることが重要です。

衣類・寝具の管理

滲出液や汗が付着した衣類は、細菌の繁殖を防ぐため、こまめに洗濯することが重要です。洗濯の際には、普通の洗濯用洗剤で十分ですが、すすぎを十分に行い、洗剤成分が残らないようにします。

漂白剤や殺菌効果のある洗剤の使用は、臭いや細菌の除去に効果的な場合がありますが、皮膚への刺激となる可能性もあるため、使用する場合はすすぎを十分に行うことが大切です。

直接肌に触れる衣類は、綿などの天然素材を選び、化学繊維の使用は控えめにすることが推奨されます。寝具(シーツ、枕カバーなど)も週に1〜2回は洗濯し、清潔を保つことが望ましいです。

汗への対処

汗は臭いの原因となるだけでなく、かゆみを増強させるため、適切な対処が必要です。汗をかいた後は、できるだけ早く拭き取るか、シャワーで洗い流すことが推奨されます。

外出時には、タオルハンカチやウェットティッシュを携帯し、汗をこまめに拭き取ることが有効です。ただし、ゴシゴシこするのではなく、押さえるように拭き取ることが大切です。

運動後や暑い場所にいた後は、できるだけ早く着替えることで、汗による刺激や細菌の繁殖を防ぐことができます。

感染予防のケア

細菌感染を予防するためには、掻き壊しを避けることが最も重要です。爪は短く切り、やすりで滑らかにしておきます。夜間の無意識の掻破を防ぐために、手袋を着用することも有効な場合があります。

かゆみが強い場合は、我慢せずに抗ヒスタミン薬の内服や、適切な外用薬の使用について医師に相談することが推奨されます。かゆみのコントロールは、掻き壊しと感染の予防に非常に重要です。

以上のように、アトピー性皮膚炎に伴う臭いの予防・改善には、適切なスキンケア、清潔の保持、環境整備が基本的なアプローチとして重要とされています。

次に、体臭への過度な心配と心理的側面への対応について説明いたします。

体臭への過度な心配と心理的側面への対応

体臭に関する悩みは、実際の臭いの問題だけでなく、心理的な側面が大きく関与している場合もあり、適切な理解と対応が重要です。

自己臭恐怖症(自臭症)の可能性

自己臭恐怖症(自臭症)とは、実際には臭いがない、あるいは他人が気にならない程度の臭いであるにもかかわらず、自分が強い体臭を発していると確信し、それに対して過度に不安や恐怖を感じる状態です。

この状態では、実際の臭いの有無にかかわらず、「自分は臭い」という確信があり、それが日常生活に大きな支障をきたします。人と近づくことを避ける、公共交通機関を使えない、学校や仕事に行けないなど、社会生活が著しく制限されることがあります。

アトピー性皮膚炎を持つ方の中にも、実際には臭いの問題がないにもかかわらず、「皮膚の状態が悪いから臭いがするに違いない」と過度に心配してしまうケースがあります。

実際の臭いと主観的な認識の違い

人間の嗅覚は、自分の体臭に対して鈍感になりやすい一方で、心理的に気になっている臭いについては過敏に反応する傾向があります。そのため、実際の臭いの程度と、本人が感じている臭いの程度には、大きなギャップがある場合があります。

客観的に臭いの有無を確認するためには、信頼できる家族や友人に率直に聞いてみることも一つの方法です。ただし、この際も過度に心配を伝えると、相手が気を使って正直に答えられない可能性もあるため、注意が必要です。

医療機関では、実際に臭いがあるかどうかを客観的に評価し、臭いがある場合はその原因を特定して治療を行い、臭いがない場合は心理的なサポートを提供することができます。

周囲の反応への不安

「人が鼻に手をやった」「席を離れた」といった周囲の行動を、すべて自分の臭いのせいだと解釈してしまう傾向がある場合、それは認知の歪みかもしれません。実際には、これらの行動は様々な理由で起こり得るものであり、必ずしも臭いと関係があるわけではありません。

アトピー性皮膚炎があることで、「人に嫌われるのではないか」「拒絶されるのではないか」という不安が強くなり、それが体臭への過度な心配につながっている可能性もあります。

心理的サポートの重要性

体臭への過度な心配が日常生活に支障をきたしている場合、心理的なサポートが有用な場合があります。認知行動療法などの心理療法により、認知の歪みを修正し、不安を軽減することができる可能性があります。

また、アトピー性皮膚炎そのものによる心理的負担(外見への不安、慢性的なかゆみによるストレスなど)が、体臭への心配を増強している可能性もあります。この場合、皮膚症状のコントロールを改善することで、心理的な負担も軽減される場合があります。

体臭に関する悩みを一人で抱え込まず、医療機関に相談することで、実際の臭いの問題なのか、心理的な問題なのかを適切に評価してもらい、それぞれに応じた対応を受けることができます。

このように、体臭への悩みには心理的な側面が大きく関与する場合もあり、実際の臭いの有無の評価と、心理的なサポートの両面からのアプローチが重要とされています。

最後に、臭いが気になる時に医療機関を受診すべきタイミングについて説明いたします。

臭いが気になる時に医療機関を受診すべきタイミング

アトピー性皮膚炎に伴う臭いが気になる場合、適切なタイミングで医療機関を受診することで、原因の特定と効果的な対処が可能になります。

感染症が疑われる場合

以下のような症状がある場合は、細菌感染を起こしている可能性が高いため、早急に医療機関を受診することが推奨されます。

急に臭いが強くなった、黄色や緑色の膿が出る、患部が熱を持っている、赤みや腫れが急激に悪化した、発熱がある、リンパ節が腫れている、痛みを伴うなどの症状です。

これらは細菌感染の兆候であり、適切な抗生物質治療が必要となります。早期に治療を開始することで、感染の拡大を防ぎ、速やかな改善が期待できます。

特に、とびひ(伝染性膿痂疹)が疑われる場合は、伝染性が高いため、学校や職場を休み、早急に治療を受ることが重要です。

適切なスキンケアでも改善しない場合

適切な洗浄、保湿、衣類の管理などを行っているにもかかわらず、臭いが改善しない場合は、医療機関で相談することが推奨されます。臭いの原因が細菌感染である場合、外用薬や内服薬による治療が必要となることがあります。

また、使用している保湿剤や外用薬の臭いが気になる場合も、医師に相談することで、別の製品への変更が可能です。臭いを我慢して使用を続けるよりも、自分に合った製品を見つけることが、継続的なスキンケアには重要です。

アトピー性皮膚炎の炎症が十分にコントロールされていない場合、それが二次的に臭いの原因となっている可能性もあります。治療の見直しにより、症状のコントロールが改善し、結果として臭いの問題も解決する場合があります。

心理的負担が大きい場合

臭いへの不安が強く、日常生活に支障をきたしている場合、人と会うことを避けている、外出できない、学校や仕事に行けないなどの状態がある場合には、心理的なサポートが必要な可能性があります。

医療機関では、実際に臭いがあるかどうかを客観的に評価し、臭いがある場合はその治療を、臭いがない場合は心理的なサポートを提供することができます。自己臭恐怖症の可能性がある場合は、心療内科や精神科との連携も検討されます。

体臭への不安により、社会生活が制限されている状態は、生活の質を著しく低下させます。一人で悩まず、早めに相談することで、適切なサポートを受けることができます。

皮膚科での適切な治療

皮膚科では、臭いの原因となっている皮膚の状態を評価し、適切な治療を提供します。細菌感染がある場合は抗生物質の処方、炎症のコントロールのための外用薬の調整、適切なスキンケア方法の指導などが行われます。

必要に応じて、細菌培養検査を行い、原因菌を特定して感受性のある抗生物質を選択することもあります。また、皮膚のバリア機能を改善するための包括的な治療計画を立てることができます。

必要に応じた他科との連携

臭いに対する心理的な負担が大きい場合や、自己臭恐怖症が疑われる場合には、心療内科や精神科との連携が有効な場合があります。認知行動療法などの心理療法や、必要に応じた薬物療法により、不安や恐怖を軽減することができる可能性があります。

また、アトピー性皮膚炎に伴う様々な心理社会的な問題について、包括的なサポートを受けることで、生活の質の向上が期待できます。

定期的な経過観察により、皮膚の状態や臭いの問題、心理的な状態などを継続的に評価し、必要に応じて治療やサポートの内容を調整していくことが、長期的な管理には重要です。

以上のように、臭いが気になる場合には、感染症の兆候がある時、適切なケアでも改善しない時、心理的負担が大きい時などに医療機関を受診することで、適切な評価と対処を受けることが重要とされています。


※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断や治療に代わるものではありません。症状や治療に関するご相談は、医療機関にご相談ください。

監修医師

理事長・院長
今村 英利
Imamura Eli

略歴

2014年10月神戸大学博士課程入学
2019年3月博士課程卒業医師免許取得
2019年4月赤穂市民病院
2021年4月亀田総合病院
2022年1月新宿アイランド内科クリニック院長
2023年2月いずみホームケアクリニック