風邪でのどの痛みが治らない原因とは?長引く咽頭痛の対処法と注意点

風邪

風邪の他の症状は改善したにも関わらず「のどの痛みが治らない」と困っている方は多いのではないでしょうか。

発熱や鼻水、咳などの症状は治まったものの、のどの痛みだけが続く状況は決して珍しいことではありません。

風邪でのどの痛みが治らない原因には、炎症の残存や細菌の二次感染、生活習慣の影響など様々な要因が考えられます。

多くの場合は適切な対処により改善が期待できますが、原因によっては専門的な治療が必要な場合もあります。

のどの痛みの性質や持続期間、随伴症状を注意深く観察し、適切な対応を取ることが重要です。

風邪でのどの痛みが治らない状況について

風邪でのどの痛みが治らない状況は、風邪の回復過程において比較的よく経験される症状とされています。

のどの痛みが他の症状よりも長引く理由として、のどの粘膜は外界からの刺激を直接受けやすい部位であり、炎症の回復に時間を要することが多いとされています。また、日常的な会話や食事により絶えず刺激を受けるため、完全な安静を保つことが困難で、治癒が遅れる場合があります。さらに、乾燥した空気や口呼吸などの環境要因も、のどの痛みを長引かせる原因となる可能性があります。

よく見られる症状のパターンでは、朝起きた時に痛みが強く、日中は軽減するものの、夕方から夜にかけて再び悪化するという経過をたどることが多いとされています。痛みの性質も様々で、ヒリヒリとした痛み、チクチクとした刺すような痛み、イガイガとした違和感など、個人によって異なる特徴を示します。

風邪でのどの痛みが治らない状況には複数の原因が関わっている場合が多く、適切な原因の特定と対処が重要です。

続いて、のどの痛みが長引く主な原因について詳しく見ていきましょう。

のどの痛みが長引く主な原因

風邪後ののどの痛みが長引く原因は多岐にわたり、しばしば複数の要因が組み合わさって症状を持続させているとされています。

炎症の残存による痛みでは、風邪ウイルスによって引き起こされた咽頭や喉頭の炎症が完全に治癒するまでに時間がかかる場合があります。特にのどの奥の方にある扁桃や咽頭後壁の炎症は、表面的な炎症よりも治癒に長期間を要することが多いとされています。この場合の痛みは、飲み込み時に悪化し、安静時にも持続的な不快感として現れることが特徴です。

細菌の二次感染は、のどの痛みが長引く重要な原因の一つです。風邪により免疫力が低下した状態で、細菌(溶血性連鎖球菌など)がのどに感染することがあります。細菌感染による痛みは、ウイルス感染よりも激しく、膿性の痰や扁桃の腫脹を伴うことが多いとされています。この場合は抗生物質による治療が必要となる場合があります。

生活環境や習慣による影響も見逃せません。室内の乾燥、口呼吸、声の使い過ぎ、刺激物の摂取(辛い食べ物、アルコール、タバコ)などが、のどの粘膜を刺激し続けることで痛みを長引かせる可能性があります。また、逆流性食道炎により胃酸がのどまで上がってくることで、慢性的な刺激による痛みが生じる場合もあります。

薬剤による影響として、風邪薬に含まれる成分や、頻繁なうがい薬の使用により、のどの正常な細菌叢が乱れ、かえって症状が長引く場合があります。のどの痛みが長引く原因は個人の体質や環境によって異なるため、適切な原因の特定が重要です。

次に、治らないのどの痛みの具体的な特徴について説明いたします。

治らないのどの痛みの特徴と症状

治らないのどの痛みには、急性期の痛みとは異なる特徴的な症状パターンがあるとされています。

慢性化したのどの痛みの特徴では、鋭い痛みというよりも、持続的なイガイガ感や違和感として現れることが多いとされています。痛みの強度は軽度から中等度で、日常生活に著しい支障をきたすほどではないものの、不快感が継続します。特に乾燥した環境や、朝起きた直後に症状が悪化しやすい傾向があります。

随伴症状の特徴として、軽度の声のかすれ、のどの乾燥感、軽い咳が見られる場合があります。ただし、発熱や強い全身症状は通常見られません。食事時の痛みについては、熱いものや冷たいもの、刺激の強い食べ物で悪化することが多く、柔らかい食べ物では比較的楽になることが特徴です。

痛みのパターンとしては、一日の中で変動があることが多く、朝方に強く、日中は軽減し、夕方から夜にかけて再び悪化するという経過を示すことが一般的です。また、疲労やストレスがある時に症状が悪化しやすい傾向もあります。会話や咳、深呼吸により痛みが誘発される場合もあります。

治らないのどの痛みの特徴を理解することで、適切な対処法を選択することができます。症状の程度や性質によって有効な対処法が異なるため、個人の状況に応じた対応が重要です。

続いて、具体的な対処法について見ていきましょう。

のどの痛みが治らない場合の対処法

のどの痛みが治らない場合の対処法は、痛みの原因や程度に応じて適切に選択することが重要とされています。

基本的なケア方法では、のどの保湿が最も重要とされています。室内の湿度を50~60%に保ち、加湿器や濡れたタオルを使用して乾燥を防ぐことが効果的です。水分補給も重要で、常温または温かい水をこまめに摂取し、のどの粘膜を潤すことが推奨されます。うがいについては、ぬるま湯での軽いうがいが有効とされていますが、強すぎるうがいは粘膜を刺激するため避けることが重要です。

食事面での配慮として、刺激の少ない食べ物を選択することが推奨されます。熱すぎるもの、冷たすぎるもの、辛いもの、酸味の強いものは避け、温かいスープやおかゆなどの柔らかい食べ物が適しています。はちみつは抗菌作用があるとされ、温かい飲み物に加えることで症状の緩和に役立つ可能性があります(1歳未満の乳児には使用禁忌)。

生活習慣での注意点では、声の使い過ぎを避け、できるだけのどを休ませることが重要です。口呼吸ではなく鼻呼吸を心がけ、タバコや受動喫煙を避けることも症状の改善に役立ちます。十分な睡眠と休息により、免疫力の回復を促進することも大切とされています。

市販薬の使用については、のどの炎症を抑える成分を含むトローチやスプレーが有効な場合がありますが、使用方法や期間については注意が必要です。症状が改善しない場合や悪化する場合は、専門的な相談を受けることが重要です。適切な対処を行っても改善しない場合は、他の原因を考慮する必要があります。

次に、風邪以外の原因について説明いたします。

風邪以外でのどの痛みが続く原因

のどの痛みが長期間続く場合、風邪以外の様々な原因による可能性も考慮する必要があるとされています。

感染症による原因として、細菌感染(溶血性連鎖球菌、黄色ブドウ球菌など)による咽頭炎や扁桃炎があります。これらの感染症では、風邪よりも強い痛みや膿性の分泌物、扁桃の腫脹や白苔の付着が見られることが多いとされています。また、真菌感染(カンジダなど)によるのどの痛みも、免疫力が低下している場合に生じる可能性があります。

アレルギー性の原因では、花粉症やハウスダストなどのアレルギーによって、のどの粘膜に慢性的な炎症が起こり、痛みや違和感が続く場合があります。この場合は季節性があったり、特定の環境で症状が悪化したりする特徴があります。また、食物アレルギーによるのどの症状も考慮する必要があります。

逆流性食道炎による影響も重要な原因の一つです。胃酸がのどまで逆流することで、慢性的な刺激による痛みや違和感が生じます。この場合は、横になった時や食後に症状が悪化し、胸焼けや酸っぱい味を感じることが多いとされています。

その他の原因として、咽頭がんや喉頭がんなどの悪性腫瘍、甲状腺疾患、神経痛、心因性の要因なども考えられます。特に喫煙歴がある方や、症状が片側のみに限局する場合、体重減少を伴う場合などは注意が必要とされています。

風邪以外の原因による、のどの痛みは適切な診断と治療が必要な場合が多く、症状が長期化する場合は専門的な評価が重要です。

最後に、受診の目安について説明いたします。

のどの痛みが長引く場合の受診の目安

のどの痛みが長引く場合の受診判断は、症状の持続期間や程度、随伴症状を総合的に評価することが重要とされています。

早急に受診すべき症状として、激しいのどの痛みで水分摂取が困難な場合、呼吸困難や嚥下困難を伴う場合、高熱が再燃した場合、首のリンパ節の著明な腫脹がある場合などがあります。また、のどの痛みが片側のみに強く、耳への放散痛を伴う場合、声のかすれが急激に悪化した場合も早急な対応が必要とされています。

一般的な受診の目安では、風邪症状改善後ものどの痛みが2週間以上続く場合、痛みが徐々に悪化している場合、膿性の痰や血痰が見られる場合は受診を検討することが推奨されます。また、市販薬や自宅でのケアを適切に行っても改善が見られない場合も、専門的な評価が必要とされています。

受診時に伝えるべき情報として、症状の開始時期と経過、痛みの性質と部位、悪化・軽減要因、随伴症状の有無、これまでに行った治療とその効果、基礎疾患や服用薬剤の情報などを整理しておくことが重要です。また、喫煙歴や職業(声を使う仕事など)についても診断の参考になります。

のどの痛みが長引く場合の適切な判断には専門的な知識が必要であり、症状や経過についてご相談ください。早期の適切な診断により、症状の改善と重篤な疾患の除外が期待できます。


※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断や治療に代わるものではありません。のどの痛みが続く場合や気になる症状がある場合は、医療機関にご相談ください。

監修医師

理事長・院長
今村 英利
Imamura Eli

略歴

2014年10月神戸大学博士課程入学
2019年3月博士課程卒業医師免許取得
2019年4月赤穂市民病院
2021年4月亀田総合病院
2022年1月新宿アイランド内科クリニック院長
2023年2月いずみホームケアクリニック